ジストロフィノパチー

人工呼吸療法と集学的な医療ケアで
平均寿命が大幅改善

ジストロフィノパチーの種類

デュシェンヌ型・ベッカー型筋ジストロフィーなどの総称

ジストロフィノパチーとは、ジストロフィン遺伝子の変異によって起きる筋ジストロフィーの総称です。ジストロフィノパチーには性別と重症度によって以下の3種類に分類されます。

    【男性】

  • デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)
  • ベッカー型筋ジストロフィー(以下、BMD)
  • 【女性】

  • 女性ジストロフィノパチー

ジストロフィン遺伝子はX染色体上にあるため男性しか発症しないと思われがちです。
しかし、女性でもまれに子どもの時からDMDと同じような症状を示す方がいるほか、変異を持っている女性の6割程度は血液中のクレアチンキナーゼ(CK)値(筋肉が壊れていることを示す数値)が高値であったり、加齢に伴い心不全や筋力低下などの症状を示したりする方が少なくないことが明らかになっています。

こうした方は「女性ジストロフィノパチー」として、指定難病の対象になっています。「男の子だけの病気」と決めつけないようにしてください。

主な症状

DMDの場合

  • 2歳くらいに下腿の偽性肥大や走るのが遅いこと、3~5歳くらいに転びやすい、歩き方の異常、走れない、ジャンプができないなどの症状が出る
  • 乳幼児期の採血で偶然に高クレアチンキナーゼ(CK)血症が見つかり、発症前に診断されることがある
  • 健常な子供よりは遅れるものの、5~6歳頃までは運動能力は発達し、その後徐々に低下、10歳くらいで歩行ができなくなる(ステロイドの服用によりさらに長期間歩行可能な子どもが増えています)
  • 運動能力の低下によって、関節拘縮や側弯が起きる
  • 10歳以降から、呼吸不全・心筋症などが起きるが、出現時期や進行のスピードには個人差がある

BMDの場合

  • DMDに近い重症例から、自覚症状の乏しい軽症例まで個人差がある
  • 小児期から運動が苦手、走るのが遅い、運動後に筋痛がある
  • 運動機能が良好な軽症例では、心筋症で発症することもある

女性ジストロフィノパチーの場合

  • まれにDMDと同等の重症度になる場合がある
  • ジストロフィンの変異を持つ女性の6割程度で高CK血症が見られる
  • 加齢とともに筋力低下や筋肉痛が起きることがある
  • 高年齢では心機能低下が起きることがあり、心不全で発症する例がある

療養上の留意点

医療に加え、多面的に患者さんを支える連携が必要

診断、薬物療法、リハビリテーション、整形外科治療、呼吸ケア、循環器治療、栄養管理、心理・教育・社会支援などさまざまな関連職種が、継続的に患者さんをケアするために多くの関係者に協力を呼びかけること(集学的医療)が大事です。

呼吸管理の第一選択は非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)

呼吸機能が低下すると、人工呼吸器が必要となります。このときには非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)が第一選択です。
人工呼吸療法を理解している医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士、介護者などが求められるほか、患者さん自身とご家族の理解と協力が必要となります。
NPPV導入後も定期的な検査を行い、インターフェイス(マスク)や人工呼吸器設定の見直しをしてください。

ステロイド治療は専門医に相談

DMDではステロイド治療の骨格筋障害への効果が証明されており、保険適用となっています。
一般的には運動機能がピークに達したときから投与を始めますが、服薬するかどうか、投与方法などについては主治医と相談した上で決めましょう。

ステロイド治療と感染予防

DMDではステロイド治療の骨格筋障害への効果が証明されており、保険適用となっています。一般的には運動機能がピークに達したときから投与を始めますが、服薬するかどうか、投与方法などについては主治医と相談した上で決めましょう。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー診療ガイドライン

日本神経学会、日本小児神経学会、国立精神・神経医療研究センターが監修した「デュシェンヌ型筋ジストロフィー診療ガイドライン2014」(南江堂)が発行されています。
医療関係者向けですが、それぞれの医療問題に対して推奨事項が記載されており、患者さんやご家族にも役立つ内容です。
書籍として購入できるほか、日本神経学会のホームページでもご覧いただけます。

http://www.neurology-jp.org/guidelinem/dmd.html

デュシェンヌ型・ベッカー型筋ジストロフィーの詳しい情報は下記をご覧ください。

CareCureMD
「筋ジストロフィーのエビデンス創出を目的とした臨床研究と体制整備班」ホームページ

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